【この記事に書かれていること】
妊娠中に気を付けたい高血圧やむくみの対処法として、妊婦さんでも無理なくできる「減塩」について、詳しくご紹介しています。
- 妊娠中ってナゼむくんじゃうの?
- 塩分を摂りすぎちゃった時はどうすればいい?
- 妊娠中の塩分は1日何gまで?
これらの気になる疑問にも、ズバリお答えしますよ♪
妊娠中に塩分を摂りすぎると、『むくみ』や『妊娠高血圧症候群』などの発症リスクが高まると言われています。
この病気は、妊婦さん20人に1人の割合で起こります。早発型と呼ばれる妊娠34週未満で発症した場合、重症化しやすく注意が必要です。
妊娠高血圧症候群は、
- 妊娠中に体重が急増した方
- もともと肥満気味な方
- 高齢出産の方
などが、特にかかりやすい傾向にあると言われています。
妊娠中に高血圧を発症してしまうと、重篤な合併症を引き起こしたり、赤ちゃんの発育不全を招きかねません。
予防や対策方法はないんでしょうか?
残念ながら根本的に治す方法はなく、無事に出産することが一番の治療となるようです。
対処法の1つとして、「食事療法」で適切な体重管理を行うことが大切だと言われていますよ。
高血圧の要因となる、急激な体重増加を防ぐためには、塩分やカロリーを控えた食事を心がけることが肝心です。
今回は、妊婦さんでも無理なく行える、減塩方法について詳しくご案内します。
妊娠中のむくみの原因
妊娠中って、本当にむくみやすくなりますよね。
何でなんだろう…?
妊娠中のむくみには、
- 母体内の水分量増加
- 妊娠中に増加するホルモンの影響
これらが関係しています。
妊娠中のお母さんの体内水分量は、通常の2倍近くにもなると言われています。
増えた水分量に対し、腎機能の排出ペースが追い付けなくなると、余計な水分が体内に溜め込まれたままとなって、むくみに繋がりやすくなります。
また、妊娠中に増える女性ホルモン『エストロゲン』も、むくみに大きく関係しているようです。
『エストロゲン』には、皮下組織に水分をため込む作用があります。
胎盤の形成を助けるホルモンで、特に妊娠初期に増えると言われていますよ。
多くの妊婦さんを悩ませる「つわり」の症状を引き起こすのも、このエストロゲンです。
妊娠後期には、大きなお腹が下肢を圧迫することで、血行不良が起こりやすくなります。
下半身の血液が心臓に戻りにくくなってしまうため、この時期の妊婦さんは、特に下半身のむくみが顕著となるようです。
このように妊娠中は、全期間を通してむくみやすい状態が続きます。
むくみがツライ妊婦さんは、以下のような「むくみケア」を取り入れてみると良いでしょう。
【妊娠中のむくみ対策セルフケア】
- 同じ姿勢を続けないように心がける
- マッサージをする
- 足を高くして寝る
この他にも、食事を見直すことでむくみ改善につながるケースがあります。
特におすすめなのが、「塩分の過剰摂取に気を付けること」です♪
妊娠中の1日の塩分の量はどのくらい?
妊婦さんが1日に摂取しても良い塩分量は、どのくらいなのでしょうか?
たまひよオンラインでは、妊婦さんの塩分摂取量の目安を、1日10g以下としています。
妊娠中の塩分の摂取量は1日10g以下が目安です。
厚生労働省の「妊産婦のための食事バランスガイド」には、妊娠中は普段通り~普段よりちょっと多めの栄養分を補う必要がある、と書かれています。
つまり妊娠中の食事量は増えても、塩分量は増やしちゃダメってこと?
その通りです。
妊娠中は、普段の食事より薄めの味付けを心がける必要性が出てきそうですね。
日本人の食生活はヘルシーな印象がありますが、梅干しやお味噌など保存性の高い食品から、多くの塩分を摂取していることが分かっています。
和食の献立は、意外と高塩分であると言われていますよ。
妊娠中の高血圧を防ぐためにも、塩分控えめの食事を心がけましょう。
妊娠高血圧症候群と診断されたら
妊娠中の高血圧は、健診での血圧測定・蛋白尿の有無などから、慎重に判断されます。
もし妊娠高血圧症候群と診断されたら、お医者様の指示に従い、適切に対処しましょう。
妊娠高血圧症候群の治療では、「安静」「薬物療法」のほか、「食事療法」のいずれかの指導を受けるようです。
当サイトでは、妊婦さんでも無理なく行える、減塩をメインとした食事療法についてご案内します。
妊婦さんの食事は、塩分だけでなく食事全体のカロリーを控えることが大切です。
外食やお惣菜での食事が続くと、知らず知らずのうちに塩分を多く摂り過ぎている場合があります。
妊娠中はなるべく自炊して、自分で栄養バランスや塩分量をコントロールしましょう。
でも妊娠中の体調って、なかなか安定しなくて…。
正直、キッチンに立つのがつらい時もあるんです。
そんな時は、『宅配弁当サービス』を賢く利用してみましょう♪
カロリーや塩分量が控えめで、栄養バランスに優れたお弁当は、ママやおなかの赤ちゃんの強い味方になってくれますよ。
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妊婦の減塩方法
ではここから、妊婦さんでも簡単に実践できる減塩方法について、詳しく紹介していきます。
日常生活では、以下の4つのポイントを押さえて、減塩にトライしてみましょう。
【妊娠が分かったらすぐ始めたい4つの減塩ポイント】
- 塩分は「少し抑える」くらいがベスト
- 塩分を控えるためのマイルールを決める
- 塩分を取り過ぎてしまった時の対処法を知る
- 妊娠時に取り入れたいおいしい減塩食のコツ
それぞれのポイントについて解説します。
①塩分は「少し抑える」くらいがベスト
妊娠中に塩分を控えた方が良いのは分かるけど、いちいち量を計るのはめんどうだなぁ…。
いっそのこと、塩をまったく使わないのはアリ?
確かに、その都度量を計るのは大変ですよね。
しかし塩は、ママの体や赤ちゃんの発育に欠かせない、大切なミネラル源でもあるんですよ。
例えば塩分不足に陥ると、脱水症状を起こすリスクが高まります。
たくさんの汗をかく夏場などは、水分と一緒に多くの塩分が奪われてしまいます。
たしかに妊娠中って、普段より体温が高くなるし、体重も増えて汗をかきやすくなる気がします…!
適量の塩分は、健康を保つために欠かせない栄養素なのです。
また、デリケートな妊娠期に、無理な減塩で食事を美味しく食べられないのは、妊婦さんにとって大きな負担となります。
ママがストレスを感じていると、おなかの赤ちゃんが心配してしまいますよ。
妊娠中の減塩は、ゆる~くラクに行いましょう♪
②塩分を控える為のマイルールを決める
あらかじめルールを決めておくと、あとはそれを守るだけで良いので、とってもラクですよ♪
献立を立てやすくなったり、外食時のメニューを決めやすくなったりと、日常的に減塩を意識できるようになるメリットもあります。
【妊娠集の減塩マイルールの例】
- 麺類のスープは飲み干さない
- 漬物は1切れだけ食べる
- みそ汁や麺類の汁物は1日1杯にする
妊娠後期に入り、お腹が大きくなってくると、ちょっと体を動かすのでさえ億劫に感じる場合も出てくるでしょう。
そんな時に頼りたくなるのが、安価で手軽なインスタント食品などの加工食品ですよね。
しかしこれらの加工食品は、妊娠中にはなるべく避けた方が良いです。
特にインスタントラーメンは、塩分量が多い食品のトップにもなっているほど。
でも妊娠中って、つわりや体調の変化で普段よりも偏食しがち。
どうしても食べたくなっちゃったら、どうすればいいの…?
そんな時のために、塩分を摂りすぎてしまった時の対処法を知っておきましょう♪
③塩分を取り過ぎてしまった時の対処法を知る
- お誕生日や記念日などのお祝いごと
- クリスマスやお正月などのイベントごと
こういったシチュエーションでは、ご馳走を用意したり外食したりして、普段よりも味が濃いものを食べる場合が多いですよね。
でもやっぱり、マイルールは守らないとダメですよね…
いいえ、このような時は思いっきり楽しんじゃいましょう!
「ちょっと今日は、塩分オーバーしちゃったな…」と感じた日は、次の日の食事を少しだけ工夫してみましょう。
体内の塩分を尿とともに排出させる働きを持つ「カリウム」は、減塩に大いに役立つ栄養素です。
カリウムは、アボカドやホウレン草、枝豆、サトイモ、納豆などに多く含まれていますよ♪
カリウムは水に流れやすい性質があるので、なるべく火を通さず食べれる食材をチョイスしましょう。
たっぷりの水分を一緒に摂ることで、カリウムのデトックス効果を助けることができますよ。
④妊娠時の減塩食を美味しく作るコツ
減塩食って、どうしても味が薄くて美味しくないイメージ…
たしかに慣れるまでは、減塩食に物足りなさを感じる方が多いようです。
減塩食を美味しくするためのコツを、2つご紹介しますね。
【減塩食を美味しくするコツ】
- 旬の食材を素材の味で楽しむ
- 塩の代わりにだしや酸味、スパイスを活用する
旬の食材は、素材本来の味がとても濃く、そのまま食べられるほど美味しいものです。
自然と調味料を減らすことができるため、意識的に取り入れると良いでしょう。
旬の食材を手に入れるには、宅配サービスや生協を活用してみるのもオススメです。
買い物に行く手間や、無駄買いを防いでくれるメリットもありますよ♪
調味料を使う際は、量を気を付けるようにしましょう。
私たちの塩分摂取源は、ほとんどが調味料からだと言われていますよ。
例えば、
- お味噌大さじ1には約2gの塩分
- お醤油大さじ1にはなんと約3gの塩分
が含まれています!
中濃ソースなどにも多くの塩分が含まれているので、かけ過ぎやつけ過ぎには注意が必要です。
また調味料は、直接かけるのではなく、小皿にとって付けて食べるようにすると、塩分摂取量を抑えることができます。
調味料の代用になる、ポン酢やレモン汁を使ってみるのも有効です。
大根おろしやねぎ、しょうが、ゴマなどの薬味と組み合わせると、味の物足りなさも軽減するはずです。
ここで、ふだん食卓にあがる機会が多い「お味噌汁」と「焼き料理」について、具体的な調理ポイントをご紹介します♪
みそ汁
お味噌汁って、意外と塩分量が多いって聞いたことがあるわ。
妊娠中に飲んでもいいの?
確かにお味噌の塩分量は、やや多めです。
しかし発酵食品であるため、たっぷりの栄養素を含んでいる食品でもあります。
サラダでは大量に摂れない野菜も、お味噌汁にすることでかさが減り、たくさん食べられるメリットもあります。
お味噌汁を作るときは、野菜多めの具沢山にして、スープをすべて飲み干さないよう注意すればOKです♪
焼き料理
焼き魚やグリルチキンなどの焼き調理メニューは、香ばしさが引き立ち、食欲をそそります。
お肉をグリルする時は、ローズマリーやバジルなどのハーブで、風味付けするのがオススメ。
焼き魚の場合は、塩サバや甘塩鮭などの加工品より、自分で調味できるお魚をチョイスする方が良いでしょう。
塩サバは保存期間も長くって、使い勝手が良いんだけどなぁ…
水を張ったボウルに塩を少し入れて、その中に塩サバを1~2時間ほどつけておくと、塩抜きできますよ♪
食べる時は、醤油よりもレモンやすだちでいただきましょう。
妊婦さんの減塩にまつわるQ&A
妊婦の減塩に関して気になることを、Q&A方式でまとめてみました。
妊娠初期ですが、梅干しなどのしょっぱいものが食べたくなります。
妊娠初期のママに、よくあるケースのようです。
安定期に入るとおさまる場合も多いので、あまり過敏になり過ぎず、今は食べられるものを口にしましょう。
ちなみに梅干しの塩分量は、1個あたり約2gとやや多め。
どうしても1日に何個も食べたい場合は、減塩タイプのものを選ぶなどの工夫をしてみましょう。
減塩を医師から指導されました。具体的にどのくらいを目標にすればいいですか?
食塩摂取量の目標を、1日6g未満にしてみましょう。
この量はだいたい「小さじ1ぱい程度」に相当しますよ。
食品成分表示を見るときは、「ナトリウム400mg≒食塩1g」
を覚えておくと、おおよその食塩量が計算できますよ♪
減塩食を作ってみたのですが、どうも美味しく感じられません。
調理面で工夫すべきことはありますか?
旬の食材を使ってみましょう♪
旬の食材は、味が濃く栄養価も高い傾向にあります。
まずは味付けなしで食べてみて、味気ないと感じたら後から少しずつ味を足していく「後からチョイ足し」がおすすめです。
まとめ
今回は、妊娠時の減塩についてご紹介しました。
妊娠中の減塩は、ちょっと意識する程度でも十分なんですね。
安心しました~♪
妊娠時は「減塩」を始める絶好のチャンスでもあります。
ママと赤ちゃんにストレスのかからない範囲で、継続的に減塩できると良いですね♪
一般的な高血圧は、いきなり発症するものではありません。
加齢にともなって少しずつ血圧が上昇し、ある日高血圧と診断されるケースが多いと言われています。
将来高血圧に悩まされないためには、なるべく早い段階で減塩することが大切。
血圧上昇のスピードを緩めるのが、1番の予防になるのです。
これから生まれてくる赤ちゃんのためにも、妊娠中の今こそぜひ「減塩」にトライしてみてくださいね♪