【この記事を読むとわかること】
おせちやお雑煮は、塩分多めだと言われています。
- お雑煮やおせちに含まれる塩分量
- 減塩中でもお正月料理を楽しむ方法
食生活が乱れがちな年末年始も、賢く減塩してみてくださいね。
もういくつ寝ると、お正月ですね。
お正月は、おせちやお雑煮を食べながらコタツでまったり…という方も多いのではないでしょうか。
実は、おせちをはじめとするお正月料理には、「厚生労働省が薦める3倍以上の塩分が含まれている」のだそうです。
え~!!3倍もですか?!
お正月料理に塩分が多いワケ
お正月は、縁起が良いとされるお料理をたくさん用意して、新年の幕開けを祝います。
その背景には、「正月三が日は、かまどに宿る神様や主婦たちに休んでもらおう」という、ねぎらいの気持ちも込められているのだとか。
お正月料理には、主婦たちへの配慮もあったんですね。
普段ほとんどの家事炊事を担う主婦たちも、お正月は手を休めて一緒に新年を祝いましょう、ということかもしれませんね。
しかしここで注意したいのが、お正月料理に含まれる塩分の多さです。
お正月料理には、保存のきく食材を選ぶほか、保存性を高めるために味付けを濃くする風習があります。
厚生労働省が定めた「日本人の食事摂取基準」によると、1日あたりの塩分摂取目標は、男性8g未満・女性7g未満。
世界保健機構(WHO)では、5g/日未満の摂取を奨めており、「日本人食事摂取基準(2015年版)」における食塩摂取量の目標値でも、高血圧予防の観点から、1日当たり男性で8g未満、女性で7g未満とされています。
これに対しお正月料理は、1食で1日の塩分摂取目標(約8g)を満たしてしまいます。
お正月料理に含まれる、塩分量の内訳をみていきましょう。
お雑煮に含まれる塩分は2.1g
お雑煮は、薄口しょうゆを使った「すまし汁」や、白みそや合わせみそを使った「みそ仕立て」が多いですよね。
実は、この2つの調味料に多くの塩分が含まれているんです。
【塩分1gあたりの調味料例】
- 薄口しょうゆ…小さじ1
- 甘味噌…小さじ2+3/4
- 中濃ソース…小さじ3
- マヨネーズ…小さじ11
- ケチャップ…小さじ6+1/2
本当だ!
ダントツでお醤油と味噌の塩分量が多い!
またお雑煮には、「寿命が延びますように」との願いを込め、お餅を入れますよね。
お餅と一緒に食べたときに味を薄く感じないよう、お醤油や塩が多めに使われる傾向もあるでしょう。
たしかに、お雑煮に入れるお醤油の量は、いつもより多めだわ。
お餅をのどに詰まらせないよう、汁をたくさん飲む方も多いと思います。
すべて飲み干してしまうと、塩分のとり過ぎになってしまいますよ。
おせちに含まれる塩分
おせちには「めでたさを重ねる」という意味を込めて、さまざまな料理が重箱に詰められます。
おせち料理って、ついついつまんじゃって、食べ過ぎちゃうんですよね~。
あらかじめ1人分ずつお皿に盛りつけておくと、食べ過ぎ防止になりますよ♪
料理1つ1つの塩分は大したことがなくても、主なおせち料理を1人前食べると、1日の塩分摂取目標をほとんど満たしてしまいます。
塩分内訳を詳しく見ていきましょう。
数の子は1本0.6g
子孫繁栄を願って食べる数の子。
塩蔵品のため、下準備で塩抜きしたあと、薄口しょうゆや塩を合わせた調味液に付け込んで、味を染みこませます。
松前漬けやマヨネーズ和えなどは、さらに塩分量が高くなるため、注意が必要です。
かまぼこは3切れで1g
紅白の色合いや松竹梅の柄などで、おめでたさを表現するかまぼこ。
かまぼこの「赤は魔除け、白は清浄」を意味するとも言われているのだとか。
一般的に「練り物は塩分高め」と言われており、かまぼこも例外ではありません。
伊達巻きは0.5g
巻物のように見える伊達巻きには、「知識が増えますように」との願いが込められています。
伊達巻きの多くは、卵とはんぺんを使って作られます。
はんぺん自体に塩が含まれており、甘みをひき立たせるため更に味付けするので、意外と塩分が高いのです。
田づくりは10匹で0.7g
昔、農作物の肥料として使用したことから、五穀豊穣を願う食べ物となった田づくり。
カタクチイワシを、醤油などで甘辛く煮絡めて作ります。カタクチイワシ自体、海の魚のため塩分が高めです。
昆布巻きは3切れで1.7g
昆布巻きは「よろこぶ」に通ずるとして、縁起が良いとされました。
お重に入る昆布巻きは、甘塩鮭を昆布で巻いたものが一般的。
味付けには醤油が使われるので、少しの量でも塩分量が高めです。
筑前煮は1.8g
土の中で根を張る根菜に末永い幸せを願って食べるのが、筑前煮。
穴が開いている蓮根は「将来の見通しがきく」とされ、子芋を多くつける里芋は、子孫繁栄の縁起物とされています。
筑前煮に入る干しシイタケは、煮汁をしっかりと吸うので、塩分を控えたい方は食べ過ぎないようにしましょう。
減塩しながらお正月料理を楽しむ方法
塩分量が多めだと分かっても、やっぱりおせちやお雑煮を楽しみたいですよね。
ここからは、減塩中でもお正月料理を楽しめる方法をご紹介します。
調理方法を工夫する
スーパーなどで、あらかじめ調理してあるものを買うより、手作りした方が塩分量は抑えられます。
数の子は、時間をかけてしっかり塩を抜きます。
そのあと漬ける調味液も、ダシをきかせたり減塩調味料を活用してみましょう。
お雑煮に入れるお餅は、焼くのがオススメ。香ばしさが増して満足度が高まります。
ぜんぶ手作りすると、時間がすごくかかりそう…。
全て手作りでなくても大丈夫です♪
いくつかスーパーの出来合いを用意して、それ以外を薄味で調理すると、味のメリハリがついて、全体のバランスが良くなります。
減塩調味料を活用
日本高血圧学会のHPでは、減塩食品リストを公開してます。
以下に表のように、減塩調味料が紹介されているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
企業名 | 品名・名称 | 商品名 | 100g当たりの食塩相当量 | 減塩率 |
味の素(株) | 塩 | 「やさしお」 | 46.0g | 50% |
味の素(株) | 和風だし | 「お塩控えめの・ほんだし」 | 13.5g | 60% |
一正蒲鉾(株) | はんぺん | ふんわりはんぺん | 0.9g | 40% |
ヤマモリ(株) | こいくちしょうゆ | おいしさそのまま 減塩しょうゆ | 8.0g | 45% |
イチビキ(株) | みそ加工品 | すぐとけるみそあわせ | 8.0g | 25% |
また調味料を減らすには、香辛料や香味野菜(みつば・ゆず・ごま)をうまく活用すると、薄味でも満足度が増します。
塩分排出を助ける食べ物を摂る
3食すべてお正月料理を食べるのではなく、どれか1食にとどめて、他の食事で塩分を調節しましょう。
以下の栄養素が含まれた食材は、お正月料理で摂りすぎた塩分の排出を促してくれますよ。
【塩分排出を助ける栄養素】
- カリウム…納豆・バナナ・干し柿・100%ジュース
- 食物繊維…きのこ類・サツマイモ・玄米・こんにゃく・ごぼう・海藻類
- カルシウム…牛乳・チーズ・ヨーグルト・ひじき・厚揚げ
実家に帰省していると、自分だけワガママを言うわけにはいかないことも…(泣)
そんな時は、塩分排出を助けるサプリメントがおすすめですよ♪
まとめ
年末年始は食生活が乱れやすいもの。
味が濃いものを口にする機会が多く、その後も知らぬ間に濃い味付けで調理しがちです。
減塩している方は、この時期、普段よりも少しだけ気を引き締める必要がありそうですね。
大みそかに食べる年越しそばにも、意外と多くの塩分が使われています。
そばって、ヘルシーなイメージなのに…。
麺のコシを出すために、そば自体に塩分が含まれているんです。
年越しそばの塩分は、約6g。
汁をすべて飲み切らないか、ざるそばにすると、塩分が抑えられますよ。
塩分高めなお正月料理も、食べ方や調理にひと工夫を加えれば、塩のとり過ぎを防ぐことができます。
今回ご紹介したコツを、ぜひご活用くださいね。