食塩のとり過ぎは、高血圧が引き起こす病気のリスクを高めます。
日本における高血圧性疾患の患者数は、1,000万人にも上るのだとか。
「食塩のとり過ぎは、高血圧を引き起こし、脳血管疾患や心疾患、腎臓病の原因となります。日本での高血圧性疾患の患者数は、1,000万人に上ります。」
血圧というのは、歳を重ねると急に上がってしまうわけではありません。
高血圧リスクを高めるのは、長い期間にわたって、過剰な塩分をとり続けることだと考えられています。
食塩のとり過ぎを防ぐためには、身近な食品にどれくらいの塩分量が含まれているのかを、知ることが大切です。
今回は、食塩が多く含まれる食品について調べてみました。
食塩が多く含まれる食品ランキング
2017年5月に発表された医薬基盤・健康・栄養研究所の調査では、日本人が食塩を多く摂取している食品が明らかとなっています。
1位と2位は即席めん
日本人が塩分を最も多く摂ってしまう食品は、カップ麺やインスタントラーメンといった即席めんでした。
塩分量は、1食当たり5.5g前後。
ちなみに、厚生労働省が定めている1日の塩分摂取目標量は、男性8g・女性7gです。
この目標値と比較すると、カップ麺やインスタントラーメンは、たった1食で1日の目標値の半分を超してしまうことが分かります。
3位以降は日本の伝統的な食品が続く
ランキングの3位以降は、日本の伝統的な保存食が続きます。
梅干しや高菜の漬物、塩サバなどは、ふだんの食卓に上がることも多い食品ですよね。
これらはそれぞれ、1食あたり1g前後の塩分量となるようです。
たしかに、お漬物は常備菜ですね。
幕の内弁当にも梅干しや塩サバはよく入っているし、食べる機会は多いです。
塩蔵品は、塩を使って水分を抜くことで保存性を高めています。
常温でも長期保存がきくので、湿気の多い日本には、かかせない食材なのかもしれませんね。
即席めんを食べている人は意外と少ない
ここで注目したいのは、各食品の「摂取者」の数です。
ずば抜けて塩分量の多いカップ麺・インスタントラーメンは、調査対象者26,726人に対し、摂取者は400人前後に留まっています。
一方、ランキング第3位の「梅干し」の摂取者は2,835人。
なんと、即席めんの約7倍の人が食べていたことが分かりました。
私も、インスタントラーメンはたまにしか食べませんよ。
ふだんから和食の献立を心がけているし、大丈夫かな!
健康的に感じる和食ですが、実は多くの塩分が使われていることを知っていますか?
そうなんですか?!
健康的に見える「和食」に潜むワナ
ヘルシーな食事として注目を集める「和食」ですが、実は意外と塩分量が多いことが指摘されています。
たとえば、【白ご飯、お味噌汁、甘塩ざけ、梅干し、ほうれん草のお浸し、だし巻き卵】といった献立の場合。
日本でよく見られる、ごくごく一般的な朝食メニューですよね。
ではこの1食に、一体どれくらいの塩分が使われているか、想像してみてください。
和食は意外と、塩分量が多いんですよね…
う~ん、5gくらい?
正解は、8.6gです。
【塩分量の内訳】
メニュー | 白ご飯 | お味噌汁 | 甘塩ざけ | 梅干し | ほうれん草のお浸し | だし巻き卵 |
塩分量 | 0g | 1.5g | 1.5g | 1.8g | 1.8g | 2g |
え~!!
こんなに塩分が使われているんですか?!
厚生労働省が定めている1日の塩分摂取目標量は、男性8g・女性7gです。
1日の活力源となる朝食を食べるだけで、理想とする塩分量を超えてしまうことが分かりますね。
塩分摂取の約7割は調味料から
日本人の塩分過多の主な原因は、漬物や魚介加工品のとり過ぎだと感じられるかもしれません。
しかし、次のグラフを見ると、塩分のおよそ7割を調味料から摂取していることが分かります。
例えば、
- 納豆についているタレだけでも塩分1g
- とんかつに大さじ1のウスターソースをかけるだけで塩分1.5g
を摂取することになります。
塩分摂取を減らすためには、調味料の使い方を工夫する必要があるようです。
調味料からの塩分摂取を減らすコツ
調味料からの塩分摂取を減らすのは意外と簡単です♪
【調味料は表面だけにかける】
肉や魚・野菜炒めなどは調理時に味付けせず、食べる時に表面だけ味付けすると、塩味を感じやすくなります。
【だしのうまみを利用する】
昆布や、鰹節、干ししいたけなどの濃いめのだしを利用すると、調味料を減らしても美味しくいただけます。
【酸味を利用する】
お酢のほか、ゆずやすだちなど柑橘類のさわやかな酸味が加わると、風味豊かに仕上がります。
【味付けにメリハリをつける】
どれか1品だけしっかり味付け、他のメニューを薄味にすると、メリハリがついて満足度が高まります。
【香り・スパイスを利用する】
しそ、ニンニク、生姜、バジル、ローズマリー、唐辛子、ローリエなどの香りや辛みが、味にアクセントを与えます。
減塩に役立つ食品・調味料リスト
国民の健康増進を目指す日本高血圧学会では、減塩食品のリストを公開しています。
リストの一部を抜粋して、ご紹介します。
企業名 | 品名・名称 | 商品名 | 100g当たりの食塩相当量 | 減塩率 |
味の素(株) | 塩 | 「やさしお」 | 46.0g | 50% |
味の素(株) | 和風だし | 「お塩控えめの・ほんだし」 | 13.5g | 60% |
ジョイフーズ(株) | 塩さば | 減塩塩さば | 0.69g | 50% |
中田食品(株) | 調味梅肉 | 美味しい減塩梅にく しそ味 | 3.7g | 60% |
(株)ふくや | 辛子めんたいこ | あじわい減塩明太子無着色レギュラー | 3.3g | 35% |
サンヨー食品(株) | 即席カップめん | サッポロ一番 大人のミニカップ 中華そば | 1.6g | 40% |
このように調味料はもちろん、食卓にかかせない食品もたくさん紹介されていますよ。
ぜひ1度、ご覧になってみてくださいね。
意外と塩分が含まれている食品まとめ
ここからは、ふだん私たちがよく口にする食品の中から、意外と多くの塩分が含まれているものをご紹介します。
パン
食塩摂取ランキングでも11位になっていたパン。
調査対象者の半数以上が食べていた事からも分かる通り、食べる機会が多い食品の1つと言えるでしょう。
パンの種類別に塩分量の一例をあげると、
- 6枚切りの食パン1枚…0.9g
- ロールパン2個…0.8g
- クロワッサン2個…1g
となっています。
さらにバターなどをつけて食べると、塩分摂取量がアップしてしまうので注意しましょう。
うどん・そうめん・そば
一見ヘルシーに思える、かけうどん・かけそばの1食あたりの塩分量は、6g前後だと言われています。
美味しさの秘訣である麺のコシを出すために、麺にたっぷりの塩が使われているのがその理由です。
スープをすべて飲み切らないことで、塩分をセーブすることができます。
焼き菓子などのスイーツ
カロリーに気を取られがちな甘いスイーツにも、塩分は含まれています。
お菓子に含まれる塩分量の一例は、以下のとおりです。
- チョコレートポッキー(10本)…0.6g
- ベイクドチーズケーキ(1切れ)…0.5g
- カップケーキ(1個70g)…0.7g
- みたらし団子(1串)…0.6g
固形コンソメ・顆粒風味調味料
家庭で常備されているメジャーな調味料たちにも、塩分はたっぷり含まれてます。
固形コンソメ1個あたりに含まれる塩分量は、2.5g。
顆粒の粉末だしを使ったお味噌汁は、1杯あたりの塩分量が0.5gです。
スーパーでよく見かける「だし入り味噌」も、塩分が多めなので注意してくださいね。
ノンオイルドレッシング
ダイエッターの強い味方、ノンオイルドレッシング。
文字通り、油分をカットしたドレッシングなので、大さじ1杯あたりのカロリーは15kcal程度しかありません。
しかし、塩分量は約0.9gとやや高め。
大さじ1杯80kcalのマヨネーズに比べると、約3倍もの食塩が使われています。
オイルカット食品は、意外と多くの食塩が使われているんです。
カロリーばかりに気を取られていると、知らぬ間に食塩のとり過ぎになっている場合もあるので注意しましょう。
まとめ
今回は、以下の内容についてご紹介しました。
- 私たち日本人が食塩を多く摂取している食品
- 意外に多くの食塩が使われている食品
健康を気遣って和食の献立を心がけていたのに、意外と塩分を摂り過ぎていることが分かりました…。