「減塩しよう!」
そう強く思ったら、まず加工食品を控えるようにしましょう。
「控える」よりも「一切使わない」くらいの気持ちがあれば、塩分は相当量抑えられます。
それだけ加工品には塩分が含まれているのです。
しかし、今回ご紹介する方法で加工食品の塩分を70%カットできたりと、耳寄りな情報をご紹介しています。
加工食品に潜む塩分
そもそも、加工食品にはどのくらいの塩分が含まれているのでしょうか?
わかりやすい例として、代表的な加工食品であるハムとソーセージの塩分量を見てみると、
- 市販されている薄切りロースハム2枚分(30g)には約1g、
- ソーセージは1本あたり約0.6g
の塩分が含まれているといわれています。
というのも、ハムやソーセージのしっかりした食感を出すためには、一定量の塩分が必要になるからです。
しかし、高血圧患者の塩分摂取目標が1日6グラム未満とされていることを考えると、加工食品の加工食品の塩分量は多すぎといわざるを得ません。
とはいうものの、毎日の食事で加工食品を一切使わないということも難しいはずです。
ですので、加工食品を料理で使うときにはできるだけ塩分を抜いて利用するようにしてみてください。
次の章では加工食品の塩分を上手に抜く方法をご紹介します。
加工食品の塩分を減らす方法
ここでは、上で加工食品の例として挙げたハムとソーセージについて、塩分を減らす方法をまとめました。
ハム
まずはハムの塩分を減らす手順です。
①ハムを細かく切る
②食材の2倍より多めのお湯を沸かす
③ハムをお湯に入れ、火を止めて1分置く
お湯が熱すぎると、肉の旨み成分がお湯の中に溶け出してしまうので、必ず火を止めるようにしてください。
1分置くことによって、食感はそのままに塩分をしっかり抜くことができます。
④ハムを取り出したら、水に1分浸した後、取り出して完成
水に浸すことでお湯で膨らんだハムが引き締まった食感を増すことができます。
この方法で食感と旨みをキープしたまま約70%の塩分をカットすることができます。
ソーセージ
次はソーセージの塩分の抜き方です。
①まずソーセージを斜めに4等分する
ソーセージは表面が固く、そのままだと塩分が抜けにくいのでカットしてください。
②鍋にたくさん水を入れ、ソーセージを入れて火にかける
ハムと違ってソーセージは水のときから鍋に入れてじっくり塩分を抜きます。
③火を止めて10分置く
④ざるにこして、②と③をもう一度繰り返す
ソーセージは皮が厚いので念入りに塩抜きをしなければなりません。。
以上の方法でで約40%の減塩ができます。
また、同じ方法を使って冷凍ハンバーグでも約40%の塩分を減らすことができます。
素材の良さを生かしつつ塩分をしっかり抜くことができる効果的な減塩方法なので、ぜひ試してください。
食品業界の罠・・
では、どうして加工食品には減塩処理が必要なほどの塩分が含まれているのでしょうか?
その理由には、人間の生物学的仕組みを利用した食品業界のマーケティング戦略が大きく関係しています。
塩には体に必要なミネラルであるナトリウムが含まれているため、塩を美味しく感じるように人間の味覚はできています。
この仕組みを利用して、食品業界は加工食品を消費者が美味しく感じて、たくさんなんども買ってもらうために塩分を多めに含ませているのです。
アメリカの元FDA(食品医薬品局)長官も務めたデヴィッド・ケスラー医学博士のベストセラー「過食にさようなら」によって明らかにされ、世界的に問題となりました。
最近では日本国内でも減塩に関する意識が高まり、食品業界でも加工食品の減塩化が進んでいます。
ラベルの表示方法にも注意
とはいえ、減塩を歌う加工食品でも注意しなければなりません。
最近は含まれるナトリウムの量が少ないことを強調した表示をしている場合が多くあります。
しかし、実はナトリウム量と塩分量は同じではなく、ナトリウム量の2.5倍が実際の塩分量となります。
「ナトリウム量が少ないから減塩できているだろう」と思って安心していたら、想像以上に塩分を摂っていたということになりかねません。
ですので、加工食品を選ぶ際には、成分表を見て塩分量をしっかりチェックするように心がけてください。
加工食品の塩分量
今回取り上げたハムとソーセージ以外の主要な加工食品の塩分量をまとめました。
まずは洋食食材から。
食品 | 目安量 | グラム数 | 塩分量 |
---|---|---|---|
食パン | 6枚切1枚 | 60g | 0.8g |
スライスチーズ | 1枚 | 20g | 0.6g |
マーガリン | 大さじ1杯 | 13g | 0.1g |
次は和食食材の塩分量です。
食品 | 目安量 | グラム数 | 塩分量 |
---|---|---|---|
かまぼこ | 2切れ | 25g | 0.6g |
梅干し | 中1個 | 13g | 2.9g |
海苔の佃煮 | 大さじ1杯 | 15g | 0.9g |
赤みそ | 大さじ1杯 | 18g | 2.3g |
白みそ | 大さじ1杯 | 18g | 1.5g |
ヘルシーな印象の和食でも塩分が多く含まれていることが分かります。
まとめ
改めて加工食品の塩分量をみてみると、想像以上に塩分が含まれていることがわかります。
ですので、しっかり減塩をしていくためには、加工食品を極力使わないようにすることが近道です。
とはいえ、全く加工食品を使わないのも難しいと思います。
そんな時には、今回ご紹介したように、加工食品も少し手間をかけるだけで、70%も塩分をカットすることが可能です。
「塩分が抜けると薄味になって美味しくない」という声をよく耳にしますが、料理の時にだしをきかせたり、スパイスを使うことによって塩分カットをしつつ味をしっかりつけることもできます。
楽しい減塩生活にできるように、加工食品を上手に使ってみてください。